本当は教えたくない「美味しいレストラン」を見つける方法

本当は教えたくない「美味しいレストラン」を見つける方法

出典:Freepik

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今は本当にうまいレストランに辿り着くのが難しい時代

 特別な日や何気ない週末など、とかく利用することの多い私たちの身近にあるレストラン。人気のあるお店は長時間並んででも食べたいとその味を求め行列を成す。日々新しいレストランが開店し、SNSではその情報が拡散され瞬く間に店が行列を成していきます。

テレビや雑誌等のメディアで話題になり、絶え間なく人気のレストラン店を取り上げ続けるといった1990年代の後半~2000年代初め頃の所謂「レストランバブル」的な盛り上がりは落ち着いた雰囲気はありますが、尚も外食産業におけるレストランへの注目度や人気度は普遍的な物となっています。

 レストランブーム真っただ中の20年前と比較して、現代は情報が拡散する環境が飛躍的に進歩したことも手伝って、圧倒的にレストランにまつわる情報があふれています。
決して大袈裟な事ではなく、来る日も来る日も新規オープンの店舗情報が飛び込んで来て、それに準える様に残念ながら閉店の情報も届いてきます。
スマホで検索すれば近隣のお店の情報が瞬時に入手可能。

レストラン本を握りしめ、そこに載っている店を一軒ずつ練り歩くように食べ歩きすると言った、かつてのやり方は今からすれば時間が掛かり過ぎることを安易に許容している世の中だったのだと振り返ることが出来ます。

 うまいレストランとそうでないレストランという論評するのは主観的であり、ともすると危うい表現の仕方になってしまいますが、あえて言わせて頂くと昔と比較してうまいレストランは格段に増えているとおもいます。
それゆえに、かつての状況なら恐らく行列店になるであろうと思しきクオリティのレストランであっても、今となってはごく当然の如くありふれたレストランでしかなくなってしまいました。
そう、皆が手軽にかつ即座に溢れかえっているレストラン情報にアクセス出来る現代、その呆れる位に膨大な情報を取捨選択するスキルこそが現代を生きる我々には求められています。そういった意味で本当にうまいレストランに辿り着くのが難しい時代になったと言えます。

目新しい物がもてはやされるテレビや雑誌は「新店」に集中する

先程も触れた通り、かつてと比較すると新規店のレベルも遥かに上がっており。うまくないレストランはかなり無くなりました。(正直、ゼロではありませんが・・・)

 うまいレストランを見つけるには、テレビや雑誌といったメディアのレストランに関する特集を参考にすれば大ハズレする事は無い。と思う方もきっと多い事と思います。しかし、こういった上表では辿り着けないうまいレストランが多く存在します。
とかくメディアで紹介されているレストラン特集は、ある一定の「テーマ」や「トレンド」という縛りをもとに、店が選出されていることがほとんど。

 具体的に言うと、「今年オープンの新規店特集」や「和食が人気のお店」、あるいは「内装が豪華な店」など、紹介するレストランをジャンル分けする様な一括りの「テーマ」が必ずといって良いほど設けられます。
限られた取材時間や紙面のスペースの中で紹介出来る店の数は既に決まっている訳で、そういった制約の中、テーマ設定をするのある意味当たり前のことと言えます。
こういった情報を目線を変えてみると「うまい」というある意味、主観的かつ抽象的な情報より、読者の目にスッと分かりやすく腹落ちしやすいテーマ別で紹介された方が、受け手はその情報を元にお店選びをしやすくなるのは言うまでもありません。

 とりわけ「新規オープン」というテーマは、時代が変わっても必ずといって良いほど題材にされる鉄板のネタ。レストランの本や特集等を覗いてみても、まず初めに「今年オープンのお店」が大きく紹介されることが多いです。
 オープンして間もない、経験も技術も未熟なレストランが目立つ位置で取り上げられて、長きに渡り行列を作り続けている人気店や、創業ウン十年の老舗店といったお店の扱いというものは隅に追いやられているか、酷ければ取り上げられもしないという言い表し難い違和感は、ある意味、やむを得ないメディア特有の弱点と言えなくもありません。

「行って良かった」と思えるレストランの条件とは?

 弱肉強食のレストラン業界の中で、既存メディアに依存せず、今行くべき「うまいレストラン」に辿り着く為には具体的にどういった観点で探せば良いのか?
本当に美味しい料理を食べさせていただけるお店はどうすれば見つかるのか?。

恐らく、メディアの情報のみで探してしまうと辿り着くことは難しいであろう、筆者が考える「今食べるべき美味しいレストラン」、「行って良かったと思えるレストラン」とは、
下記の条件に当てはまるお店と定義づけています。

「創業10年~20年のお店」
「新規開店の当初から今も変わらぬ人気を誇っているお店」
「メニュー・ジャンルと言ったレストランの基本的な設計を変更していない」
「店主が店に立ち、派手なチェーン展開をしていない」

無論、これら条件を全て満たしていなくても、美味しいお店は存在する事は事実ですが、今食べるべき美味しいレストラン・行って良かったと思えるレストランを見つける考え方の一つとして参考にして頂けたら幸いに存じます。

 ここからは、前述した筆者が考える「今食べるべき美味しいレストラン」、「行って良かったと思えるレストラン」の条件の根拠についてご説明していきます。

 まず、「創業10年~20年のお店」についてですが、これは言うまでもなく、経験を積み重ねていけばいくほど作り手の技術が増して行き、それに比例してレストランの味も美味しくなっていきます。特に、暖簾を受け継いで長期間営業している老舗の場合、その長い歴史の中で店のファンの舌と心を掴み万全の体制になっており、変わらぬ味を出し続けています。
よくあるシチュエーションとして、昔通っていたお店に久しぶりに訪れた時「そうそう、この味!」と思える瞬間が長きにわたりリピーターを多く生み出している所以なのだと思います。

 対して新規オープンの店は、最新の厨房機器を用いた今の技術・素材を取りそろえ、それを強みとして考え得る最善の料理を提供している店が多いことは確かですが、そこから生み出される味は完成度という観点で見れば粗削りであることは否めません。

 一方、創業して10年~20年程度の店の場合、作り手の技術が成熟期に入った時期でもあり、料理に対する姿勢や知識・技術も開店当初よりはるかに成熟しています。そのレストランが完成度という部分で新店よりも高いというのは言うまでもありません。
更に、店を営業していく上での程よい危機感と緊張感を持ち、大きく味を変えずとも客に飽きがこない様に研鑚を積み重ねている店が多い印象を受けます。

 次に「新規開店の当初から今も変わらぬ人気を誇っているお店」という条件に関して。創業して10年~20年のお店というのは、「レストランバブル」が始まった1997年頃から取り巻く環境が落ち着いて来た2000年初頭の開店ということになりますが、ちょうどその頃は注目を集めるレストラン店が今よりもはるかに多く出店していた、所謂「レストラン戦国時代」と言われています。
そんな厳しい時期に店をオープンさせて、注目を集め人気店までのし上がったということは並大抵のことではありません。そして、店主が常に向上心をもって真摯に取り組み、味に磨きを掛け続けなければ、生き残ることは難しいという事は言うまでもありません。

 次に「メニュー・ジャンルと言ったレストランの基本的な設計を変更していない」という事について。とかく長い期間営業している店であっても、レストランの設計をガラッと変えてしまう所が少なくないのが現実です。代替わりして考え方が変わったとか、新規一転勝負に掛けるなど様々な事情がありますが、この事が決して悪いという意味では無く、それまでの技術や経験が生かされた上に立っている物と信じています。
しかし、ファンにとってみれば変わらぬ味を長い期間作り続けながら磨きあげられたコンセプトが維持されたレストランの方が、さらに別次元の体験が出来るのではないか?
という期待感が高まると思います。
さらに10年も20年も変わらぬ味を出し続けられるということは、その商品の基本設計が普遍的な、時代が変わっても尚も多くの人の支持を受け続けているということの証でもあるのです。

 最後に「店主が店に立ち、派手なチェーン展開をしていない」について。基本レストランの味の違いは、作り手の数だけあると言われております。その料理一品が目の前の客に提供されるまでにたくさんの努力と苦悩と苦労を重ねた結果のものであって、器の中に入っているもの全てに存在理由があります。
やはりレストランは、その料理をイチから考えて作った人間が自ら手掛けて提供するものが一番美味しいはずです。
でも、これが人気店になって多店舗展開するようになれば、いわずもがな物理的にオリジナルを生み出した店主が店頭に立てなくなります。当然その思いを受け継ぎ思いを汲み取っている弟子やスタッフが、遺憾なく技術を発揮して至極の一杯を作ることは可能だと思います。
でも、やはり店主が作るオンリーワンの一品とそうでない一品は、商品への思い入れ等、目には見えない或いは数値では表し辛い部分の度合いは埋めがたいと思うのです。

レストラン進化の原動力はファンに長く愛され続けれる事

 これまで述べてきた条件を踏まえ、改めてご自身がファンであり続けている行きつけのレストランを食べ歩いてみれば、通い始めた最初のころと比べ、確実に料理ひとつひとつが良い方向に改善され美味しくなっているのだということを実感できると思います。見た目こそ、これまでと変わりなくても、そういった事を意識して食べることによって違いを感じることが出来るはず。
通い続けた月日の間に、素材が改良されていたり、製法が新しくなっていたり、作り手の技術が向上したりと、複合的な要因によってそのレストランが「進化」して「深化」しているのです。

 これと同時に、食べ手の自分自身の変化と変遷を感じ取ることができることでしょう。自分が若い頃と比較して趣向や嗜好が変化しているということはもちろん、料理を味わう時の感覚、更にもっと言えば、食に対する意識や向き合い方も変わっているはずです。作り手も客である食べ手も、同じように様々な経験と時間を経て今ここにいます。

レストランの味を美味しく楽しむことが出来る喜びを感じられるというのは、素直にレストラン好き冥利に尽きるはず。

 お店の情報や口コミを手っ取り早く知る手段としてSNSが持てはやされる時代になり、情報が拡散されるスピードは速くなり、手近になり、得られる情報のボリュームも格段に増えています。そんな情報過多の時代の中でこれからも同じようにお店は新規オープンしますし、その情報は取り上げ続けられます。しかし、本当の「美味しいレストラン」というものは、時代のトレンドに迎合した話題性先行のレストランではなく、研鑚を積み重ね作り続けてきた愚直なレストランたちなのだと強く思います。

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